ボーダーライン〜キャバ嬢×ボーイ〜【完】
「生きていてくれるだけで、幸せだよ。」
彼はそう、アタシに言ってくれた。
親にさえ言われたことのない、臭いようで、物凄く素敵な言葉。
ユッキーは、アタシに手を出してこない。
夜にはちゃんと帰るから、一緒の布団で寝たことすらない。
あれ以来、アタシは誰からも抱かれていない。
トラウマとでもいうのだろうか。
アタシはひたすら男と、そういう関係になるのを避けてきた。
だけど、それが余計、トラウマとして強くアタシの中に残る原因だと思うよ。
今は…。
「ユッキー?チューしていい?」
「えっ!!??」
「もうっ!!何?そのキョドり方!!あー、もう、ユッキー大嫌い!!」
わざと、子供みたいに傷ついたフリをしてみた。