ボーダーライン〜キャバ嬢×ボーイ〜【完】
「いってらっしゃい。」
「行ってきます。」
腑に落ちないまま、アタシも仕事の準備を始める。
職場に着くと、何だか異様な雰囲気だった。
そして、アサミはアタシをシカトした。
きっとアサミが何か良からぬことを、みんなに吹き込んだのだろう。
「美優ちゃん、ちょっと良いですか?」
そう声をかけてきたのは、この間店長とキスをしていたキャストで。
名前…何だっけ?
「ウワサになってるんですけど、店長と付き合ってるんですか!?」
「まさかっ!!やめてよ。」
「本当に?」
「あのね、アタシは店長とは何の関係もないし、2人で飲みに行ったりもしないから!!」
ちょっと強めに言った。
「…でも、ウワサに…」
「あなたがウワサになんないように気を付けた方が良いんじゃない!?」
「えっ…」
「アタシ、こないだ見たんだ。誰にも言うつもりないから。」