ボーダーライン〜キャバ嬢×ボーイ〜【完】
「お疲れ。行く?」
「うん。」
ユッキーは店長にすでに聞いていたらしく、アタシがフロアに戻ると、すぐに送ってくれた。
「はぁ〜あ。」
「どうなった?」
「あれは、もう辞めるしかないんじゃないかな。」
「そっか。」
「それにしても、店長って案外はっきり言うタイプなんだね。すごかったよ。」
「だな。店長は、店の中では一番冷めてるよ。」
それは、店長の優しさが偽りの優しさであることを意味していた。
「ユッキーは?」
「俺?俺は…美優にだけ優しくしたいと思ってる。」
「そっか。」
「裏切らないから。大丈夫。」
帰り際に軽いキスをして、別れた―――。