ボーダーライン〜キャバ嬢×ボーイ〜【完】
日曜日、この日もユッキーは家に来ていた。
見られてしまうとマズイので、朝方に時間をずらしてやってきた。
「俺は、幸せになる権利がないのかもしれないな。」
ユッキーは最近、そんなことを言うようになった。
アタシは…きっと過去の事を根拠に、言っているのだろうと思った。
「幸せになる権利は、誰にだって平等にあるよ。」
「でも、俺は…」
「幸せを手にするのも、手放すのも…自分次第だよ。」
「………」
“過去のことは忘れて”
だなんて、アタシには言えなかった。
でも、忘れて、アタシだけを見てほしい。
それが本音。
「ユッキー、チューしよっか」
「うん。」
アタシはいつもこうして、ユッキーの温もりを確認するんだ。
どこかが触れ合ってないと、不安になってしまうの。
一緒にいるのに、おかしいね。