ボーダーライン〜キャバ嬢×ボーイ〜【完】
汚い世界に生きているアタシたちも、同じように汚いのかもしれないね。
そんな中でも、汚れない人はいる。
それは…記憶の中の人間。
時は、止まったままだから…。
「ユッキー?」
「なに?」
「ユッキーは誰が一番すき?」
「美優だけしか、好きじゃないよ。」
確認するだけじゃ、足りないんだよ。
ユッキー?
今、好きなのはアタシだけかもしれない。
でもね、記憶の中に消えずに残る彼女の存在は、アタシなんかよりも遥かに上なんでしょ…?
言われなくても分かる。
こんなにも、好きな人のことだから。
心が通じ合っていないことくらい分かってしまうよ。
イヤでも。
いつかアタシは、彼女の存在を越えることができるのだろうか。