工場裏の宇宙ネコ
「ほぉ~、
 宇宙ネコか~!

 懐かしいねぇ。
 元気にやってるのかなぁ?」

どうやらこの男はまともな様だった。

「あの工場のみんなはねぇ
 だんだんとおかしくなって
 いったんだよぉ~?」

「だんだんとね…
 じゃぁ、おかしくなる前は?」

「その前?
 そりゃぁ~まともだったよぉ?

 決まりとか厳しくてねぇ、
 ボクはへっちゃらだけどね

 きっと、
 あの仕事が向いてたからじゃないのかなぁ~?」

「宇宙ネコはいつからいたの?」

「そうそうその後かなぁ、
 宇宙ネコが現れたのはね

 でもぉ、
 その頃からみんなだんだんと仕事さぼり出してねぇ

 最後はみんな居なくなっちゃったから、
 もぅ警備する必要がなくなっちゃったんだよぉ~

 だから今は、
 この畑を勝手に警備しているのさ。
 なかなか楽しいもんだよぉ」

「居なくなった者はどこへ?」

「いきなり冒険しに行くって言って
 どっかいっちゃったりとかぁ~

 昔諦めた事を~
 やりにいくとかぁ~」

私は十分に話を聞いた後、イヌの元警備員の元を後にした。
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