工場裏の宇宙ネコ
それはまるで水の中で手を動かしているかのような感覚だった。

「羽をゆっくりと斜め下の状態にのばしてみて」

ボクはゆっくりと羽をほんの少し斜め下にのばしてみた。

「えぇぇ!?」

誰かが羽の下から持ち上げてる様な感覚がする。

「どう?
 空気に持ち上げられてるでしょ~?
 もう少しだけ角度を開いてみて」

するとさっきより大きな力で持ち上げられる感じがして、
ボクの体はついには浮き上がってしまった。

「よし、いいねぇ~!
 上がりすぎたら角度で調節してみてね
 そっとゆっくりと」

ボクは上がったり下がったりを繰り返し、少ししてコツがわかってきた。
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