工場裏の宇宙ネコ
「白のデザインとか言っておいて、
 裏は赤いとかありえないよね」

これは彼女のデザインへの主張だろうか?
とにかく唐突すぎて何の事かさっぱりわからない。

「え?なんの事?」

「バッグとか、オシャレなデザインの服も機械もだけどさ
 白なら全部白系で統一してほしいのよね
 80%は白いのに、肝心な所をつぎはぎにしちゃったら全部台無しになっちゃうと思わない?」

ボクはあっけにとられていたけど、ココロはふむふむと言って頷いていた。
博士とネルビーは馴れているのか聞いてないフリをしていた。

「これだけは言いたい!
 わたしは機械だからって、何でも銀色に塗っちゃうのってナンセンス!だって思うの」

「はぁ…そ、そうかもね」

「ホラッ!これ見てよ」

彼女はバッグから小さな箱を取り出した
それは白い綺麗な箱だった、アクセサリーとかを入れる箱だろうか?

「ココッ!ほらっ!」

彼女が指を指した部分は箱のフタに付いている蝶つがいだった。

「えっと、そこがどうかしたの?」

「何でココだけ銀色なわけ!?
 全てのデザインをここがこわしてる!
 手を抜かず色を塗ればいいのに」

ボクは何の為に彼女が呼ばれたんだったか、既におぼろげになって来ていた。
< 123 / 175 >

この作品をシェア

pagetop