工場裏の宇宙ネコ
『なんですの?』

グレサトにじっと見つめられ、ココロがキョトンとした顔をしてグレサトを見ている。

「あんたココロちゃんだっけ?…イメージ近いなぁ」

『イメージ?』

「今書いてる小説のキーキャラね
 コレ、<夢中ネコ>っていうんだけど」

グレサトはそう言ってバッグから原稿用紙の束を出した。


──夢中ネコは夢中だから夢中ネコと言う
見た物は何でもすぐに夢中になってしまう
そんな困った癖を持っている夢中ネコ

夢中ネコはその困った癖を治したくなって探偵を呼びました
夢中ネコは言いました、「わたし普通のネコになりたいの」
そう言われた探偵さんは困ってしまいました──


何コレ…癖を治したくて何で探偵を呼ぶんだろう?
特定の単語が繰り返されすぎて疲れるなぁ……。

「コレね~
 わたしがずっと小さい頃から暖めてた話なんだ
 形にしたくて今作ってるとこなんだけど」

『ほほぅ、それは大変なの~』

「へぇ~、まぁ・・がんばって」

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