工場裏の宇宙ネコ
「でも部屋は用意しなくて良かったの?」

そう、ボク達は旅館ねじから通う事にした。
理由はねじのおかみさんが作った、あのおいしい料理が食べたいからなんだけど。

『ねじのおかみさんの料理はね
 すっごくおいしいの~』

そう言ってココロは耳をくりんと回した、ココロも気に入ってる様だ

「ねじってあの古い旅館だよね?
 たまに大学に泊まりで来るお客さんに駅の近くだし、
 そこを紹介してるんだけど、結構評判いいんだよなぁ
 建物はちょっと古いけどね」

なるほど、あの料理ならではの評判だ。

「あ、そうだ
 昨日の青い人も研究員なのかな?」

「あぁ、グレサトでしょ?
 あの人は一応そうなんだけど…何なんだろう・・
 実は僕もあんまりよく分かってないんだよ
 ちょっと前に博士が連れて来たんだけど」

「あの人も何か研究してるの?」

「どうかな?
 焼き芋焼いたりはしてたけど
 それが研究なのかどうか」

そこにグレサトがやって来た。
今日の服装は妙に黒かった。

「焼き芋の話?」

「あぁ、前に焼き芋焼いてたでしょ?
 あれって何かの研究だったのかなって話してたんだよ」

「あれね、単に食べたかったから
 それだけの為に作ったのがあれ」

グレサトが指さした先には、ホコリだらけになった鍋が戸棚の上に置いてあった。
ボクが蓋を開けると、その中には丸い小石がたくさん敷き詰められていた。
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