工場裏の宇宙ネコ
「グレサトって何の研究してるの?」

「研究?」

ネルビーの質問に、グレサトはポカンとした表情で言った。

「だってここの研究員だよね?
 何か研究したいからいるんでしょ?」

「研究と言うなら、
 この世界のカラーデザインが、いつも一部だけおかしい事について…とか」

「蝶つがいとか?」

「そだね
 後は、魚の絵を描いたり」

魚って…もしかして

「そういえば<希望の魚>のデザインをしてもらったっけ」

ネルビーが本棚から画用紙を出してきた。
それは、確かにあの<希望の魚>だったが、どことなくずんぐりしていて余りうまい絵ではなかった。
味があると言えばある気がするけど。

「ネルビー、今日はどうするの?」

「あ、今日も昨日と同じ様にやってもらおうかな?
 ココロちゃんまたお願いね」

『うん』

ボク達はネルビーの研究室に向かった。
グレサトも付いてきたけど、例のインスパイアの為かな?
ネルビーの奥の部屋へ入ると、ネルビーは機械を繋いだりして準備を始め、ボクは鳥の羽の様な物を手に付けて窓を開けた。
グレサトはそこらにある背もたれのない丸椅子に座って、メモにこの部屋の図の様な物を描いている。
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