工場裏の宇宙ネコ
ボクは昨日の様に、翼をコントロールする練習をしていると、ネルビーが折り紙を持ってきた。
そして、折り紙をココロの側に並べ始めた。
折り紙は、赤や青や黄色など色々な色がある。

「多分色によって吸収力が変わるんだと思うんだけど
 どの色が引きつけやすいのか調べるね」

すると、やはり黒い折り紙に一番光が集まっていた。

『蛍は黒が好きなの?』

「そうみたいだね、
 この板は黒く塗った方がいいかもしれないなぁ
 グレサトのお陰で板を遠くに離しても、吸着率を上げる方法がわかったよ」

偶然だろうけど、彼女に来てもらって問題が1つ解決した様だ。

「そう言えば、今日博士は?」

『また箱の中に入ったの?』

「今日は<希望の魚>に、昨日作ったあの試作品の箱を取り付けに行ってるよ
 スッター教授と一緒にね
 音楽にも使えそうなんだって」

博士も頑張ってるんだな、ボクも操縦の練習頑張らないと。

「そういえば宇宙に行くんだっけ?
 宇宙で何食べんの?」

戸の隙間から、グレサトが顔を出して言った。

「食べ物?…あーッ!!」

ネルビーが大きな声を出した。

『驚いたの!』

その様子からすると、どうやら食べ物の事は考えていなかった様だけど、そんなに何日も行くのかな?

「今回は、一応この星の再調査が名目だから、
 少しガマンすればいいんだろうけど
 スポンサーの目的は多分違うからね
 困ったな・・」

「それさ、わたしがやろっか?
 食べ物の研究」

「やってもらうと助かるな
 じゃぁお願いするよ」

グレサトは、自分が役に立ててない事を余り気にしてはいなそうだけど、一応研究員らしい事をしてくれる様だ。

「それでね~!
 キミ達って旅館ねじに泊まってるんだよね?
 食べ物の研究したいから、旅館ねじの食事を食べたいんだけどいいよね?
 同時に取材も出来るし、いいことづくしの味づくし♪」

『賑やかそうで楽しみなの』

ココロは喜んでいるけど、ボクは「単に食べたかったから」っていう台詞を思い出していた。

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