工場裏の宇宙ネコ
ココロは、壁に向かってやさしく手をかざした

「壁に‥?」

そう言って博士は壁に近づいた

「ななっ!?」

博士は唐突に壁に落下した

「こりゃたまげた‥
 地面に引力があるのに壁に落ちたぞぃ!?」

「どうやってわかったの?」

『床にさわったらなんとなくなの
 きっと床が教えてくれたんだと思うの』

「いいなぁ‥
 わしもそういう力欲しかったなぁ」

「博士‥」

「だって物に直接触れば理解できちゃうんだよ?
 辞書とかだって、読まなくても触ればわかっちゃうんじゃないの?」

ボクは試しに工辞苑と書いてある、やたら分厚い本をココロに渡してみた

「どう?書いてある事わかる?」

『わからないの
 重くて仕方がないの』

「残念でしたね、博士」

「ふむぅ…
 そうか、理解の意味が違った様だね」
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