工場裏の宇宙ネコ
どれだけ時間が経ったかもわからなくなっていた時

「‥コ‥ロ‥」

どこかで声がした

それは聞いたことがある声だった

でも、この声もいつかは消えて行ってしまうのだろう

どうせ最後は一人になるのなら、最初から‥うん、逢わなければいいんだよ
だから、このままここにいればいいんだ

「‥コ‥」

でも、どうしてこんなに切ないんだろう
この声を聞いてると、なぜかあふれ出る感情を抑える事が出来なくなる
どんどん心に優しさと、あたたかさがあふれてくる


声がする方にぼんやりと光が見えた
この場所にいて、唯一見ることが出来るその光はとても優しく光っていた
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