工場裏の宇宙ネコ
「気のせいかな?
 ココロの雰囲気がちょっと変わった気がするんだけど」

『雰囲気?
 変わったのかな~?』

ボクはココロの様子の変化は、ココロが疲れているせいだと思っていたけど、それだけじゃない気がしていた。
ココロが気を失っていた間に、何かがあったのかな?
でも、それを聞くのは明日にしよう。

部屋の窓から見える星が輝いている、歯車市の駅前は夜でも灯りが多くて星が見えないけど、旅館ねじの辺りの空は星がよく見える。
ボク達はあの星空に行くんだな。

コバルトの六弦を手に取り、夢で見た知らない街で聞いたあの曲を弾いた。

──すると…

ココロが曲に合わせて歌を歌い出した、ボクが夢の中で聞いたあの歌声が今ここに聞こえて来ている。

これは…間違いない!あの夢で聞いた歌だ…!

「ココロ?
 この歌思い出したの?」

『なんでだろぅ
 思い出したみたいなの』

自然に思い出したと言う可能性もなくはないけれど、
ココロが歌を思い出せたきっかけがあるとすれば、あの気を失った事以外にはないはずだ。

「この曲って多分、
 ココロがあの星にいた時に歌っていた歌なんだと思うよ」

『きっとそうなの
 もう1つのまるで
 わたしは何してたのかな~?』


──知らない顔と楽しそうに暮らしてた


ココロはいつかそれを思い出すのかもしれない。

でも、ボクはこれからもココロとずっと一緒にいるよ。

どんな事があっても。

だって、ボクはココロが大好きで、ココロもボクが大好きなんだから。
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