工場裏の宇宙ネコ
「おや?
 どうかしたかい?」

工場長が声をかけてくれ、ハッと我に戻った。

「と、失礼…
 その後、1年程でココロは工場裏に戻ったのですよね?
 それは解決法が解ったのですか?」

「いや…解決はしなかったんだが

 ちょっと事情が変わってね
 その頃から、門の接点が段々と狭まって来てしまったんだよ」

「門の先が・・?
 と、言うことはあの星が消滅しはじめたって事でしょうか」

「どうやらそういう事らしいね

 私には門が閉まり次第の移動命令が出てしまったので
 ココロちゃんには…
 後始末をお願いする事になってしまった様なね」

なるほど、ココロに後始末をやらせておいて、そのまま放置してたと言う事か。
今工場長が話した内容には嘘を感じなかったけど、コバルトの件といい、この後始末の件といい、この工場長は全てが信頼出来る人物ではなさそうだな。

「最後に1つ聞きたいのですが
 ココロの捜し物って、
 工場裏でも出来るものだったのでしょうか?」

それを言うと、工場長は唐突に急用を思い出してそのまま帰ってしまった。
ボク達はあっけにとられ、そんな工場長を見送った。

工場長の様子からその答えは解るけど、実際のとこココロはどうなんだろうな。

「なんか…
 工場長ずいぶん慌てて帰ったよね」

「うんまぁ
 答えはもらえたからいいんだけど…」

そう言って、ボクとネルビーはお手上げの様子を示した。
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