工場裏の宇宙ネコ
26.純白の汽車
ボク達がネルビーの入れてくれた紅茶でくつろいでいると、少ししてグレサトが帰ってきた。

「あー疲れたー」

そう言ってグレサトは椅子にドサッと座ると、どこから取り出したのかもうお茶をすすっていた。
あの人だけ紅茶じゃなくて、いつもお茶なんだな。
今日の服は妙に赤かった。

『いいなぁ~
 グレサトちゃんって赤が似合って』

「へへ~ッ、似合うでしょ?
 ココロちゃんに1つ教えてあげようか」

『なぁに?』

「服に自分を合わせるんじゃなくて
 服を自分に合わせるんだよ?
 合ってるって思えば自然と似合って来るもんなの」

『そうだったの?
 わかったの!』

ココロって本当は赤い色が好きなんだろうな。
でも、赤は似合わないんだって言ってたっけ・・。

あの赤い風船はよく似合ってたなぁ。

「それで
 どんな感じかね?
 グレサトくんの方の作業は」

「そだねぇ
 大体は塗り終わったから
 後は細かい所やって完成だね」

「でもペンキって
 乾くのに結構時間かからない?」

ペンキ塗り立ての紙を見たら、ボクは3日は触らない事にしている。
3日後に触っても、結局は手についちゃうんだけど。

「普通のペンキならね
 あのペンキは宇宙船用の特殊なペンキでね
 結構すぐ乾くんだ」

「へぇ~
 そうなんですか
 まさかあれも博士の?」

「そう博士の!
 アレにはね~宇宙船の外装と同じ素材の
 目には見えない位のこまか~い粉が入っててね
 伸縮性にも耐久性にも優れ
 更に熱にも強いんだよ~!」

博士って本当に、どこにでも出てくる人だな。
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