工場裏の宇宙ネコ
「じゃぁチョコはダメだなぁ
 エンジェルとかは?」

「いいんじゃない?
 ローズとかリリーとかコスモスとか花の名前も悪くないかもね」

「花か~
 それもいいなぁ」

「メイル、ライトニング、ムーン、スターとかも綺麗な感じがしない?」

「いいねぇイメージもピッタリな気がする
 うーん…悩むなァ~」

『びーだまは?
 きれいだよ?』

「ビー玉は綺麗だけど、ちょっとイメージが違うんだよなァ
 コロコロしてるし」

『あぅ…ココロはコロコロなのに…』

ココロはガックリした。

「明日多数決でも取ってみようかな
 エレガントやチョコレートも含めてね
 わたしに一番似合うのはどれ?って」

旅館ねじの前に到着すると、ボク達の乗ったガンス・・じゃなかった「白い汽車」にはさっそく近所から見物人が集まった。
子供達は「すげぇ~」とか「乗っていい?」と言い、大人達は良くも悪くも好き勝手な事を言っていた。

当のグレサトは

「壊さないでね」

と、だけ言って旅館ねじに入って行った。

「あの赤い人
 あんた達の知り合いかい?」

恰幅のいい男性がボク達に声をかけてきた。

「え、えぇ・・
 ボク達は別件で来た外部の人間ですが
 あの人は大学の研究員で
 この汽車は今開発中の試作機だそうです」

詳しい事を聞かれても分からないので、ボクは外部の人間と言うのを強調した。

「へぇ~
 こんな汽車なら欲しいなぁ」

「まだ未完成だそうですよ
 えっと、自動なんとか装置がまだだとかで・・
 博士はもっと良い物にするって言ってました

 あ、他に椅子が2列になってて
 たくさん人が乗れる汽車もありましたよ」

「ほぉ~
 じゃぁ、今度大学に問い合わせてみようかなぁ」

「そうですね、詳しい事が聞けると思いますよ」

『してみるといいの』

博士の宣伝は一応成功そうだけど、グレサト自身は宣伝しようって気は全くなさそうだ。
まだ人だかりはあったけど、ボク達も隙を見て旅館ねじに入って行った。

あの汽車、何て名前になるのかな?
ボクの中では既に「ガンス号」と既に命名されているのだけどな。

< 175 / 175 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

トリックス☆スターズ

総文字数/149,323

ファンタジー209ページ

表紙を見る
@名もなき冒険者

総文字数/18,777

ファンタジー29ページ

表紙を見る
宇宙ネコ

総文字数/15,361

ファンタジー23ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop