工場裏の宇宙ネコ
『ほら、また光った』

そう言って宇宙ネコは空を指をさした。
その空は、暗い夜空のはずなのにやけにまぶしかった。

このシーン、
誰かと空を見上げている記憶の断片みたい。
うれしい気持がいっぱいわき出てくる。

かすかなメロディーが聞こえる。
誰かが宇宙ネコの為に、楽器を奏でてくれている様だ。

そのメロディーに合わせて、宇宙ネコは歌った。

どんな歌詞を歌っていたのか、
どんなメロディーなのかはいつも思い出せないのだけれど、
とても安らぎを感じる。

宇宙ネコはこの風景や、
その時に一緒にいる人が大好きだったんだと思った。

そして、

──ずっと続けばいいのにね

 宇宙ネコはそう思っていた気がした。

 ・・・
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