工場裏の宇宙ネコ
ココロは歌ってくれた、
心が癒されていく優しく美しい歌声だ
少し不思議な歌詞とメロディーは初めて聴く種類の曲に思えた。

その歌声は遠くまで届く様で、
気が付くと隣の車両にいた乗客もやって来ていた。

私も乗客達も静かにココロの歌声に聴き入って行った。

歌が終わると乗客達の拍手がわき上がり、
ココロはみんなの笑顔がとても嬉しそうだった。


「へぇ~
 ココロちゃんって言うのかい?
 本当にいい歌聴かせてもらったよ」

歯車市に着く間にココロはすっかり人気者になった。

私は光る石と歯車市の事を知ってる者がいるか聞いてみた。

「光る石?
 あぁ、聞いたことあるな」

一人の高齢の紳士が言った。
< 36 / 175 >

この作品をシェア

pagetop