工場裏の宇宙ネコ
乗務員から行き先のキップを買えば後は目的地で降りるだけらしい、なるほどこれは便利な乗り物だ。

このバスという乗り物は汽車の様に蒸気機関で動く、馬車の様に馬は必要ないけど動かす人の他に後ろにある釜に薪ををくべる係がいた。

ココロは後ろの窓からその様子を興味深く見ていた。


やがて出発時刻になり、チリンチリンというベルの音がするとバスはぎこちなく動き出した。

窓から見える流れてゆく風景はあの街と同じ時代とは思えないな。

建物も一回り大きくて、人も汽車の類も多い。

「やぁ失敗したな
 こんな凄い所ならもっと早く来るんだったよ」

ココロはにっこりして

『ん~ん、失敗してなんかないよ、
 一緒に来れたからよかったの
 あなたもわたしも初めてでよかったの』
< 41 / 175 >

この作品をシェア

pagetop