工場裏の宇宙ネコ
コバルトと読みとれるロゴが六弦に書いてあった

「そうだなぁ、
 わしも聞いたことがないからどこか小さな店のオリジナルかもしれないな
 まぁでも作りからすると相当いいものだろう」

「そうですねぇ
 こんないい作りの六弦は手にした事がありませんよ」

コバルトの六弦はココロに似て青く美しかった。

「まぁ、そんなものですまんが
 その子の歌にはその六弦が必要だろう?」

私とココロは主人にお礼を言い、その不思議な六弦を手に散歩道へ戻った。


ココロの歌は不思議と人を引きつけた、
さっきはココロの歌を聴いて泣いていた者までいた。

普通、ただ歌っただけではあれ程の注目を浴びる事はないだろう。
実際歌を生業としてるらしい者が道ばたで歌っている事がたまにある、
かなりの美声と思える歌でも、数人の足を止める程度でしかない。

それが、ココロが歌うと人だかりが出来る、
確かに美しい声だとは思うけども、なぜこれ程人を引きつけるのか不思議だった。
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