工場裏の宇宙ネコ
川沿いに歩く私とココロ、
ココロは小石を蹴りながら鼻歌を歌っている。

暫く行くとちょうどいい具合にベンチがあるを見つけ、そこで一休みする事にした。

「ココロの過去の事、
 色々とわかってきたね

 ココロが6年前に別の世界からやって来た事や
 その時に記憶をなくした事、
 工場裏に居たのもココロの希望らしかった事、
 別の星がこの星と同じ位置にいた事も」

『うん
 もう1っこのまる、どこいっちゃったのかな?
 わたしちょっと気になるの』

「え?昔の記憶は気にならないの?」

ココロは自分の事より、あの星の事が気になっているらしい

『記憶もきっと大事なの
 でもね
 あのまるはかわいそうになっちゃった気がするの
 遠くへ行ってしまったの』

「ココロ・・」

椅子取りゲームに負けたあの星は存在が消えてしまったのだけれど、
今まで存在していたものを、小説を書き直す様になかった事に出来るものなのだろうか?

もし審判と呼ばれる存在が本当にいるなら、とんだ過ちをしたもんだ。
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