工場裏の宇宙ネコ
「あのさ、
 ボクはココロの記憶は戻って欲しいけど、
 もし戻らなくてもココロをその・・すっ・・」

『好き?大好き?』

ココロはにっこりして言った

「うん・・大好き!」

『わたしもあなたが大好き』

薄暗くなって来た空には丸い月が出ている、月明かりを浴びたココロの青い体は輝いて見えた。
ココロは私に寄りかかっていた、ココロの温もりが伝わる。
暖かい・・、ココロはここに生きているんだ。

──月の光を浴びてコバルトの六弦も輝いている

やさしい風が吹きココロの長い耳が頬にあたった。
私はそっと唇を寄せた。

「この星に来てくれてありがとう」

私は心の中でそう言った。
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