工場裏の宇宙ネコ
「ほら、これが子供達と主人で一緒に撮った写真よ」

その写真にはいかにも頑固そうな男と、小さな子供達とおかみが笑って映っていた。

「あ、ご主人は人間だったんですね」

「そうよ~、ビックリしたでしょ?
 ガンコ者で気むずかしくって・・

 ホント、主人とは色々な所を旅したわねぇ~」

『優しい人だったの』

「そうよ、と~っても優しかったわ

 落ち着いてからは他の旅人の為に旅館をする事にしたんだけど
 この旅館の名前ねじって言うでしょ?
 それがあの人の名前なのよ
 いかにもここの生まれらしい名前よね」

そう言っておかみはしみじみとしてから、

「だからね、
 あなた達にもいい未来を築いてもらいたいのよ」

「え、、えぇ・・
 いや、もちろんそのつもりです」

私はちょっと困って苦笑いした

『今ももう幸せなの』

「そうね
 幸せそうに見えるわ~
 しっかりね!
 うちの人みたいにさっさと死んだりしちゃだめよ?いい?」

「な、なるべく長生き出来るようがんばります」

『ホントにやくそく!
 だよ?』

ココロは首をかしげてほんの少し切なそうに言った。
こうして私はココロより長生きしなきゃいけなくなってしまったけど、頑張れるかな。
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