工場裏の宇宙ネコ
私はそれ以上声をかけられなかった。

「どなたかお探しですか?」

知らない顔は私に言った。

「あ、いえ・・」

『あれ?』

「どうしたんだい?」

『あなた・・
 知ってる気がするの』

「キミの知り合いかい?」

『わからないの
 気のせいなのかもしれないの』

「おや?それは」

知らない顔は私が持っていたコバルトを見て言った。

『あ!わかったの!
 きっとそのせいなの』

「あなたもそれを弾くんですね」
< 75 / 175 >

この作品をシェア

pagetop