工場裏の宇宙ネコ
私は自分でも信じられない位泣いた。
こんなに泣いたのは生まれて初めてかもしれない。

『あなたを悲しませてしまったの
 わたしは一番あなたが大切なのに』

ココロも一緒に泣いていた。

──ありがとう、ボクもココロが1番大切だよ

私はそう強く思った、
そしてココロの記憶を取り戻すと心に決めた。

するとココロは泣きながらそっと顔を上げて微笑んでくれた。


朝、まぶしい日の光が人や建物の長い影を作っている。

私とココロは博士のいる大学行きのバスを待つ為、停留所の椅子に座っていた。

「あ、そうだ」

『なぁに?』

私は背負っていたコバルトを手に取った。

「ココロはこの曲知ってるかな?」

私はそう言って、夢でココロが歌っていたあのメロディーを弾いてみた。
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