工場裏の宇宙ネコ
「10年程前にね
 わしはここであるものを作ったんだが何だかわかるかね~?」

『わかった!ろけっと?』

ココロは即座にいつもの疑問形で答えた。

「そうだ!
 ここはロケットを作った思い出の工場なのだよ」

不格好な小さな汽車は広く何もない平らな地面を延々と進んでいく。

少しすると汽車の行く先に大きな建物が見えた、それは工場施設の1つの様だ。
そして、私たちの汽車はそのまま建物の中まで入って行った。
確かにここまで来るのには汽車でもないと無理な距離だ。

「さぁ着いたよ」

「こちらへどうぞ、このすぐ先です」

ネルビー助手は先に歩いて案内してくれた。

『大きな建物なの』

目の前に大きなシートがかけられた物体が現われた。
おそらくこのシートの下にある物が私たちに見せたいものなのだろう。
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