工場裏の宇宙ネコ
確かに巨大な魚の形をした乗り物に見えなくもなかった。

「まぁ、ロケットとは少し違うんだけどねぇ
 そうだネルビーくん、説明してあげてくれ
 これの動力部分は彼の理論なんだよ」

「はい、博士
 ではココロさんにまずこの風船をあげましょう」

いつの間にかネルビーは赤い風船を持っていた。

『わぁぃ風船だ!
 ありがとぉ~!』

赤い風船はココロによく似合っていた。

「その風船って浮いてますよね」

『浮いてるの』

「理由は中には周りの空気より軽いガスが入っているからなのですが

 今となっては風船はごくありきたりな物ですけど、
 実は音もなく浮いているって凄い事なんですよ」

『あのおさかなに風船付けて飛ばすの?』

「いえ、それも悪くないとは思いますが・・
 私が着目したのは既に周りにあるエネルギーを利用するという方法です
 今までのロケットは空に上がる為に自分でエネルギーを作ってたのですが
 この魚型は周りにあるエネルギーを使うんです」

この青年の話は少し難しかったが言いたい事はなんとなく分かった。
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