ま・ん・ぱ
しばらく行くと川につきました。

「大きいね!このお水を全部飲むのは無理だね」

「ゾウさんにゃらきっと飲めるね」

と、まみさんもまだまだ知らないことがいっぱいあるみたいです。

すると、川の向こう岸にデヴィが降り立ちました。

「あ!おばさ〜ん!おばさ〜ん!」

その声にきづいたのか、デヴィが一直線にこちらに向かって飛んできました。

「あらあら、こんなところまでよく来れたこと。それにおチビちゃんまで」
と、ぱぴくんにクチバシを近づけましたが、ぱぴくんはすぐにまみさんのうしろにかくれました。

「にゃにしてるのよ!ちゃんとご挨拶しにゃさい」

「こ、こんにちは」

「はい、こんにちは、はじめまして。お名前は?」

「…えっと…ぱぴ」

「はい、よく言えました。オホホホホ」

ワサッ!バサバサバサバサ…と、また向こう岸まで飛んでいきました。

ぱぴくんは目を真ん丸にしたまんま
「ほんとに大きいね、まみよりずっと大きいね」

「うん」

「飛んでったね、あんな向こうまで」

「うん」


ポツッ…ポツッ…

「あ、雨がふってきた」

「早く帰らないとぬれちゃうよ」

ボツポツ…ポツポツ…

「耳の後ろがかゆいと思ったら、やっぱりね」

「ぼくはヒゲがムズムズしてたよ」

パラパラパラパラ…

「だめ、おうちまで走るわよ」

「じゃあ競争しようよ」

バラバラバラ…ザーッ…

「うにゃあ!急にふってきた」
「お空が真っ暗だよ」

ジャーッバタバタバタバタザザーッ…

「だめね、雨宿りしにゃいと」

「そんなとこないよぅ」

もう声も聞こえないぐらいの大雨になってしまいました。

でも見渡すかぎり川と川原で雨宿りするところなんてみつかりません。

ぱぴくんはまだまだ小さいので震えだしました。

「さむいよぅ」

「しかたにゃいから、あたしにくっついていにゃさい」

すると突然ピタッと雨がやみました。

「あれ?急にやんだね」

「でもまだいっぱいふってるよ」

「オホホホ…雨がやむまでわたくしの羽の下で雨宿りなさいな」

そうです、デヴィです。大きな羽を広げて2匹を守ってくれたんです。
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