TOKYO.HUNT.DOWN!!
ケース
『無いぃぃぃぃぃぃ!!』


『俺のケースがどこにも無いぃぃぃぃぃ!!』


コンクリートで固めただけの地下室から響き渡るその声に震え上がってるのは部下のチャン内藤だ。

中肉、中背、見るからにただのデブだ。

12月14日。

この冬到来の時期にスパッツとブルース・リーを意識したようなシャツを着こなしている。

いや、着こなせてはいない。

顔は見るからにアホ面で、一生好みの女を愛や快楽で抱けないだろうと思わせる。

『おい聞いてんのか!?』
罵倒がより激しさを増す。聞いてるのか聞いていないのかわからないチャン内藤の顔は初対面でキレてしまうぐらいだ。

『す…どうもすいません…』

脳足りんで言葉足らずの喋り方がよりイラつきを増していく。

腰から素早く拳銃をチャン内藤の目の前に構えた。
最早声が出ないくらいに縮こまっている様子だ。

グゥゥルゥゥゥ…

しかし腹の減り具合は隠せないデブの腹が鳴り響いた。

『てめぇナメてんのか!おぉ!?』

チャン内藤の眉間に銃口が食い込む。

『だから俺のケースはどこやったんだって聞いてんだよ!!』
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