TOKYO.HUNT.DOWN!!
『ひぃぎぃぃぃ!』

リアクションが北斗の拳の敵役になるぐらい、最早まともに話せる状況ではない。

『チェリーキング。もう許してあげたら?』

入口のドアから右奥の隅に座って一連の流れを黙って見ていた部下の桃井海咲。通称『パイン』が口を挟んだ。その瞬間にもう一つの拳銃がパインの目の前に向けられた。

『パイン…口出ししてんじゃねーよ。』

『あ、そう。悪かったわね。邪魔して。』

『パッ…パインさん…』

『別にあんたなんか助けようと思ったわけじゃないわよ。気安く名前呼ばないでくれるかしら?』

『じゃあなんだよ!』

『そんなデブに説教してる間に誰かにケース奪われたどうするの?』

『あ…』

『ほんとバカね男は。頭使いなさいよ。』

バツが悪い様子でチェリーキングは怒りの矛先を見失う。

『おいチャン。探しに行くぞ。パインも手伝え。』

わかってると言わんばかりの表情で重たい腰を起こすパイン。

チェリーキングは怒りと不安気な表情で勢いよくドアを開けた。

外は寒い。この感じだと1月2月はもっと寒いんだろうと予感させる。
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