TOKYO.HUNT.DOWN!!
モブは出しきった後の余韻を楽しむのが好きだ。
いつものようにハイライトを吸おうと前を見た瞬間、この場所にふさわしくない物体が目に飛び込んで来た。


『な…なんじゃい…!?』

目の前には鎖でグルグル巻きにされた銀のケースが置いてある。

すぐにケースを取り物色するモブ。

そんなに重くない。

だいたいよく映画やドラマで見るアタッシュケースのような大きさだ。
ケースを上下に振ってみた。

中から音はしない。

何故か匂いをかいでみた。
特に匂いはしない。
いや、むしろ自分の爆弾の方の匂いが鼻を刺す。

『くっさっ!』

鎖をガチャガチャと取れないか確認する。

やはり取れない。

だが丁度真ん中に鎖を繋ぐ鍵穴があることに気付いた。

『クッソォ…』

ガチャガチャ

『なんで取れねーんだ…』

ガチャガチャ

『鍵どこにあんだよ…』


『何が入ってんだよ…!』
外れない鎖のイラつきにモブの闘争心に火が着いた。

『何で外れねんだよ!』

『中身なんなんだよぉぉぉぉ!!』

公衆トイレの天井に雄叫びをぶつけた。

外を歩いていた人々が声に驚き足を止めた。
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