天使のいいなり

ポケットに入れていた携帯電話が震えた。
ディスプレイを見ると、相手はつぐみ。

なにしたんだろ？


「センパイ、ゴメンなさい。つぐみから電話みたいなんで。」

センパイに一言言ってから電話に出た。



『もしもし、どしたの？』

『ゴメン、そっちって作業終わった？』

『終わったけど、なんかあった？』

『結構野菜あってさ～、切り終わんないんだよね。悪いんだけど、こっち手伝ってもらえない？』

『いいよ。今そっち行くね。』



会話が終わり、電話を切る。


「センパイ、つぐみのほう作業終わらないみたいなんで、私手伝ってきますね。」

「え？里緒ちゃん大丈夫？テント作って疲れてんのに。」

「大丈夫ですよ。ちっこいけど体力はありますから。」


ほとんどないけど、力こぶなんか作ってみせる。