天使のいいなり
瑞己と私。
ふたりっきり。


駅からの帰り道。
あとちょっとだから、大丈夫だよね。




「ほら、乗れよ。」

瑞己が私の前で、おんぶの体勢をとり出した。



「なに?急にどうしたの?」

「無理すんな。足、限界だろ?さっさと乗れ。」


それだけ言うと、私は無理矢理瑞己におんぶされた。



「いつから気づいていたの?」

「野菜運んでるときから。バレバレだよ。里緒演技下手くそ。」

「…ありがと。」



瑞己の背中は意外と広くって驚いた。結構細くて、男の子にしては華奢なほうかなぁって思ってたから。


あったかいな…。






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