天使のいいなり

●わたあめ

紗英さんは、いつも突然だ。


「夏目くん。あたしになにか聞きたいコトあるでしょ?」



今日もきた。
紗英さんの突然さに、何度驚かされたコトか。

なんとなく気になっていたコトは、確かにある。
なんで分かったんだ…?



俺は、バーベキューでの出来事を話した。



「夏目くん、顔大丈夫だった?」

「???何も…ないですけど…?」

「へぇ~。里緒って、ピーマン食べさせられた人にパンチする癖があるのよ。明仁も前、知らないでやってね。キレイな右ストレートがこう。」


と言いながら、パンチをする動作を紗英さんがやってみせる。



ふいに、原田ちゃんの言葉が頭に浮かんだ。

『あたしを味方につけてたほうがいいですよ。』



「なるほど。殴られる前に、里緒に賄賂を贈っておこうってワケだ?」

「賄賂って…。」


心配してなのか、それとも面白がっての発言なのか、イマイチつかめない。




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