天使のいいなり
ヘアゴムかぁ…。


紗英さんと別れた後、俺はふらりと店に入り、ヘアアクセサリーコーナーにいた。
ココまで来たはいいが、これからどうすればいいんだ?


辺りは眩しくなるほどキラキラしたものや、カラフルなものでいっぱいだ。
なんだ?この小さなクリップは。
使い方が、まるで分からない。



当然周りには女の子しかいなく、心なしか視線が痛い。
こんなトコロにカップルならまだしも、男一人でいて、キョロキョロと挙動不審。
変態か?って思われてんのかもな、俺…。




「何かお探しですか?」

店員さんが近づいてきて、俺に声をかけてきた。


「ゴムをちょっと…。」

「ゴムですか?それって、彼女さんへのプレゼントですか?」

「いや…彼女っていうか…。」




はっきり答えられない俺にかまわず、店員さんはどんどん喋る。

「どんなタイプのものにするか、もう決めてます?今の季節だと、こちらの商品なんか人気ですけど。今、私がつけてるのと色違いなんです。」





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