天使のいいなり
正直、店員さんの声なんて全く頭に入ってこない。

この状況を、どう切り抜けばいいのかというコトしか考えられない。



「お客様…?あっ、じゃあ、彼女さんってどんな感じの子ですか?感じとか教えてもらえると、選びやすいかも。カワイイ系とかセクシー系とか。」



どんな感じ?
俺から見た里緒ちゃんって…

「ちっちゃくって、色白で、なんとなく目が離せないっていうか…。ふわふわしていて、なんか…わたあめみたいな感じの子…かな?」

……………



「やだー、お客様ってば。それってノロケですかぁ?」



一瞬の沈黙の後に、店員さんの声。

ノロケって…嘘だろぉ!?
俺今思ってたこと、全部口に出してたのかよ!!
すっげー、恥ずかしいんだけど。
穴があったら入りたいって、まさにこの状況のコトだよな。



店員さんと目が合った瞬間、現実だって思い知らされた。

すっごくニコニコした顔してて、まるで今にも吹き出しそうな…。










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