天使のいいなり
「そんな彼女さんだったら、カワイくってしかたないんですねぇ~。」


そう言いつつ、心ん中では“コイツ超キモイ…”とか思ってんのかも。


店員さんの顔を見るのに耐えられなくなった俺は、「すんません、今の忘れて下さい。」と言い、あからさまに顔をそむけた。



あ…。



俺の視界に入ってきたヘアゴムを急いで取り、顔を合わせられないまま、店員さんに渡した。


「あの、これお願いします。」

「プレゼント用でいいですか?」

「プレゼント用でいいので、出来れば早く…。」


恥ずかしすぎて、もう最後のほうは喋れてなかったと思う。

ラッピングを待つ時間。
ほんの数分だったのに、何時間も待たされたような気がした。










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