天使のいいなり
つぐみはもう園芸部に入部して、幽霊部員宣言しちゃってるし。
今日もバイトだといって、授業が終わると同時に、教室を飛び出して行った。



そんな私は、1人寂しく部活見学と称して、ブラブラしていたのである。

今日も、コレだ!!って思える部活がなく、諦めて帰ろうと近道でもある、体育館の脇を歩いていた。


そんな私の足元に、体育館からコロコロと、バレーボールが転がってきた。


ボールを拾おうか迷っていたトコロに、体育館の中から声がした。



「すんませーん。ボール取ってもらえますか?」



うわっ、おっきい人ぉ…。

声をかけてきたのは、ジャージ姿の男の人。
がっちりとした体格で、筋肉がしっかりついている。
Tシャツから覗く二の腕も太く、力こぶなんか作ったら、大きいんだろうなぁ。


足元にあるバレーボールを拾い、ジャージの人のトコロへ行く。


「はい、どうぞ。」

ボールを渡して帰ろうとしたトコロ、いきなり手を掴まれた。


「キミ、1年?もしかして部活見学に来たとか?ちょっと見ていきなよ。」

「はい?」



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