天使のいいなり
バレーなんて、体育の授業でしかやったことないから、ルールだってうろ覚え。
突き指するのが怖いから、正直苦手なスポーツ。


自分が出来ない分、余計興味がなかった。



なのに、なんで?

目の前で練習している彼らを見て、ドキドキとワクワクが止まらない。
みんなすごく楽しそう。

熊ジャージさんなんて、身体の中にゴムが入ってるんじゃないの!?って思っちゃうくらい、高くジャンプなんかしてる。


私はあっという間に、彼らの世界に引き込まれた。



何分経ったのか、覚えていない。

隣にいた女の人の声で、みんなが練習を中断し、休憩に入る。
熊ジャージさんが、私のトコロに来た。


「どう?ちょっとは興味持った?」

「すっごくドキドキしちゃった。熊さんってば、どうしてあんなに高く飛べるの?」

「熊さんって…、俺?俺どっちかっつーと、毛深くないほうに入ると思うんだけど。まぁ、褒めてくれたたら、許しちゃる。」




今度は、お日様みたいにニカって笑ってくれた。



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