天使のいいなり

●嵐の前

そんなコトを考えながら、ジュースのボタンを押す。


出てきたペットボトルの山を見て、我に返る。



あちゃー、1人で7本持って帰るのはキツイなぁ。
瑞己も連れてくればよかった…。




このペットボトルを持ち帰るのに、どうしようと試行錯誤しているトキに、後ろから声をかけられた。

「すっげー量のペットボトルだな。まさか、里緒が全部飲むワケ?」


「あっ…。」

「何変な顔してんだよ。ほら、よこしな。持っちゃるから。」



さっきの話から、ここでの登場。
まさにタイムリー過ぎない?


私に声をかけてきたのは、“私の青春全て!!”と言っても、過言ではない人。


永瀬悠斗、彼だった…。


高校生活の2年、ううん、3年間想い続けた人。

悠斗先輩に会って、あのキラキラした日々が一気に蘇ってきた。
部活のコト。体育祭。文化祭。悠斗先輩がいない修学旅行。

そして、バレンタイン。





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