天使のいいなり
「光莉、お前なに言ってんだ?」


悠斗先輩が、光莉ちゃんのそばに寄り声をかける。

私は落ちてしまったペットボトルを拾うコトも忘れ、その場に立ちすくんでしまった。




「ジュース落ちてるよ。」

その言葉に、私の視界は悠斗先輩と光莉ちゃんから、ペットボトルに切り替わる。


「はい。」

差し出されたペットボトルを見ながら受け取り、お礼を言って顔を上げた。



息が止まる。
目の前にいた人が、夏目センパイだったから。

ジュースを受け取った手が、震えているのを感じた。




「今日の光莉、少し変だぞ…?なんかあったのか?」


悠斗先輩の言葉に、光莉ちゃんの顔が険しくなった。







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