天使のいいなり
早くしないと、悠斗先輩行っちゃう。



追いかけて、ドキドキがばれないように必死に平静を装って、声をかけた。


「悠斗先輩、今日忙しい?ちょっと相談したいコトがあって…。」


一瞬の沈黙。
どうしよう、告白するってばれちゃった?
今日は無理って断られる?
断る理由考えてるかも…。


「里緒でも悩むコトあんだな。背が伸びないから、どうすればいいかって?」


悠斗先輩の大きな手が、私の髪をぐしゃぐしゃにする。
目の前には、やんちゃ坊主な笑顔。
そんな顔で、触られたらドキドキがばれちゃうよ。


「もー、違うもん!」

「バーカ、冗談だって。いいよ。授業終わったら、里緒の教室に行けばいい?」

「う、うん。教室で待ってるね。」



言い終わると同時に、予鈴のチャイムが鳴った。

すっごく緊張していた私は、それだけ言うと、教室へ走って行った。




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