天使のいいなり
目の前にある、図書室のドア。



このドアを開けたら、私の運命が決まるんだ。


緊張のあまり、手が震えて上手くドアが開けられない。

つぐみの言葉を思い出す。
『力抜いて行って来い。』

力を抜いて…、力を抜いて…。呪文のように繰り返す。



女は度胸だ!
つぐみ、私頑張るから!!


意を決して、力を込めてドアを開ける。




あれ…?
目の前には、図書委員の子が2人いるだけ。


悠斗先輩、まだ来てないんだ…。
本当に、一気に力が抜けた。立ってるのが少し辛く、私はお気に入りの席で悠斗先輩を待つコトにした。


悠斗先輩は、私が告白するなんて思ってもないだろうなぁ。
突然言われて、困っちゃうかな?

でも、きっと真剣に聞いてくれるよね。


悠斗先輩なら…。

私の大好きな人。




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