天使のいいなり
図書室に来て、30分位経った。


だけど、悠斗先輩はまだ来ない…。

窓の外と図書室の入り口を見たりと、キョロキョロする。
ドアの開く音がするたび、悠斗先輩!?って思うのに…。



再び窓の外を見たトキ、胸を締め付けられ、息が止まりそうな感覚になった。






どうして、あそこに悠斗先輩がいるの…?

どうして、光莉ちゃんと一緒にいるの…?



窓の向こうには、悠斗先輩と光莉ちゃん。
2人が寄り添って歩いている。時々悠斗先輩が、光莉ちゃんのほうを向き見つめている。
まるで大事なものを、優しく扱っているみたいに…。



きっと…、なんかワケがあるんだよね。
窓開けて、悠斗先輩に声かけてみればいいじゃん。
今ならまだ間に合うよ。


そう自分に言い聞かせても、身体が鉛のように重く、全然動かない。


一瞬、なにかを確認するかのように、光莉ちゃんが後ろを振り返った。
私は、2人の小さくなっていく後ろ姿を見つめるコトしか出来なかった…。




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