天使のいいなり
ついに追いつかれ、がっしりと腕を掴まれる。


「勝手に逃げんなよ。大体、母さんが動きまわんのがいけないんだろ?大学にいればいいのに。」


なんで私ばっかりこんな目にあってるの?


「ヤダ…。嫌っ!離してください!!お願いだから殺さないでください!!」


知らず知らずのうちに、大声になっていた私。
道行く人たちが、ちらちらと私と変態男を見てる。


「おい、なに変なコト言ってんだよ。誤解されるだろ!?」

「もうやめて下さい! 私にかまわないで!!」


掴まれた腕を振り払おうと暴れる私。
そんな私達のやりとりを見ていたサラリーマン風の男の人が声をかけてきた。

「あのー、一体どうしたんですか…?」

「えっと、あの…、ただの喧嘩ですよ。気にしないでください。」


変態男は話しかけられてビックリしたのか、がっしりと掴んでいた私の腕を離した。




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