天使のいいなり
ぶんぶんっ。
思いっきり首を縦に振る。


光莉ちゃんのコトで頭がいっぱいで、他のコトなんて考える余裕なんか全く無かった。


つぐみに言われてようやく気づくなんて…。
私ってば、超マヌケじゃん。



「なーんか、それも里緒らしいかも。」

くすっとつぐみが笑う。



「冷たいコト言うかもしれないけど、やっぱりこれが里緒と永瀬先輩の運命だったんだと思うな。お互いその気があれば、修正だって出来たんだし。」


光莉ちゃんも言ってたっけ。


あのトキ、私がハッキリと悠斗先輩に聞いていていれば、こんな風にはならなかったのかもしれない。
私のグズグズした態度が、光莉ちゃんを苦しめた…。



「あのバレンタインの日以来、里緒は意識して永瀬先輩のコト忘れようと心の奥底にしまいこんでたかもしれないけど、知らないうちに整理がついて吹っ切れてたのかもね。むしろ、光莉って子に自分が気にしてる本当のコト言われて、そっちに頭がいってたんでしょ?」



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