天使のいいなり
確かに、つぐみの言うとおりかもしれない。


私は、悠斗先輩にフラれた悲劇のヒロインぶっていたのかも…。

何も努力しない自分を棚に上げて、可哀相な子って思っていたかったんだ。
こんなズルイ自分を、認めたくなかったんだ。



「私…、変りたい。ちゃんと自分を持って、意見が言えて。もっと、積極的になりたい。うじうじするの、やめたい…。」

「うん。そう思えただけで、あたしはいいと思うよ。ぶっちゃけ、光莉って子のやったコトは許せないけど、きっかけにはなったね。里緒にしたら、大進歩じゃん!」


「光莉ちゃん、とっても…、正直な子なんだよ。」



あんな風に、自分を表現出来て羨ましいって思う。
悠斗先輩を『好き』って気持ち、痛いくらい伝わってきた。

もう1度、光莉ちゃんと話がしたいな…。



「里緒。あたしはなにがあっても、里緒の味方だからね。」


つぐみがじっと、私を見る。
真っ直ぐで、そして優しい瞳。


「やだ、なに突然改まっちゃって。」



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