天使のいいなり
「里緒は、いつもあたしのコト考えてくれる。中2のトキのコト覚えてる?」

「中2って、もしかして…?」

「そう。野球部の高野先輩にフラれたトキ、あたしより泣いたじゃん。もう、どっちがフラれたのか分かんないくらい。そのあと高野先輩んトコに殴り込みに行ったのは驚いたなぁ。」



つぐみってば、そう言いながら思い出し笑いなんかしてる。

それに対して私は。


「だってアレは、本当に頭にきたんだもん!高野先輩、つぐみの良さ全然分かってなくって。外見が派手だからとかよく分かんない理由で、つぐみのコトふって…。」



あー!!
思い出すだけで、また頭にきた。
あの顔だけのタラシ男!!


無意識に息づかいが荒くなったみたい。

つぐみが笑い出した。



「もう、昔のコトなんだから落ち着きなさいよ。」

「だって…。」

「話が逸れたわ。だから!今回のコトも…、1人で悩んでないで相談してよ。あたしばっかり、里緒に助けてもらってる。」



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